原子炉の構造
「ウランを燃やす」ための装置を「原子炉」と呼びます。原子炉内では、ウラン燃料の核分裂が連続して起こっています(連鎖反応)。水や制御棒で核分裂の数をコントロールすることで、一定の出力で運転することができます。
日本で現在商用運転を行っている原子炉は「軽水炉」と呼ばれるもので、主に以下の装置・機構によって構成されています。

・ウラン、プルトニウムを小さなペレット状にした「燃料」

・核分裂の過程でウラン、プルトニウムから飛び出した中性子の速度を弱めるための「減速材」(水)

・核分裂で得た熱エネルギーを原子炉の外に取り出すための「冷却水」(水)

・核分裂を制御するための「制御棒」

・非常時および緊急時のための「緊急炉心冷却装置」

原子炉圧力容器の大きさは、110万kW(キロワット)級の沸騰水型(BWR)原子力発電所の場合で、高さおよそ22m、幅およそ6m(いずれも内径)という大きさです。
また、容器の素材自体は沸騰水型炉(BWR)も加圧水型炉(PWR)も、高い圧力に耐えられる丈夫な金属を採用しており、ステンレス鋼が内張りされています。この容器で気密性を保ち、放射性物質を閉じ込めています。
減速材として「軽水」を利用していることから、「軽水炉」の名称が用いられます。また、軽水炉は減速材と冷却水を、ひとつの「軽水」で兼用しているという特徴があります。
燃料、減速材、冷却水、制御棒は原子炉内で核反応を起こさせ制御するために必要な装置・機構であり、緊急炉心冷却装置などは原子炉の安全性を保つ上で重要な装置・機構です。